紙の価値
2015-06-22



本日午後、作業中の私を訪ね突然工場に来られたご婦人

前回ご注文を頂いた方、見積もりの時間もなく注文後の第一声は「とにかく安くして!」

知人の紹介だったのでできるだけの仕事をさせていただいたつもり

お気に召したと聞いていたが今度はご自分の師範の先生とご一緒に

そして本日の第一声は「捨て紙ある?」

うちの工場に捨てるための紙はないと言ったら、「前回来たときあなたが言ってたでしょ」

確かに捨て紙とは言ったが、それは襖を漉く前に原料の状態を見るための試し漉き

工場のすみにおいてある紙がすべてそうだとは言ってない

なかなか紙の価値を伝えるのは難しいね 

これからは「捨て紙」と呼ばないようにしよう


いつものことだが締め後の週明けは忙しい。請求書や銀行回りなどで午前中は終了

その間、本日出荷のために土曜日仕事でなんとか漉いた大判のHIRYU-RASEN
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2枚を継貼り。まったく継ぎ場所を判別できない完ぺきな仕事
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さらに下半分はグラデーションベースの凝った紙

午後から明日出荷のグラデーション紙を漉く
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この濃淡が非常に難しい

そこにすだれ模様の水切り
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多少のぶれが味となるので定規などのガイドは使わない
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夕方からの福井市街への配達で日中手が回らず出来なかった試作は夜に
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今宵のBGMはコルトレーンのバラード

ついでに原料の始末にアドリブ製作
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リズムよく手が動く
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朝から晩まで紙まみれ、どれもが工場のみんなの協力でできてきた紙

結果的に捨てることもあるかもしれないが自ら望んで捨てられるものは何一つない


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