朝焼けの残る空に鰯雲
午前6時30分、5×6判の大判の紙の圧搾から始まる仕事
布洗い場に水を入れ、ネリを出し、紙の乾燥を見る。
襖漉き場の横で今日も飛龍紙
海外帰りの問屋社長から飛龍の模倣紙がパリ市内でディスカウントされて販売いるのを見たと報告を受ける。
残念なことだが、作り続ける心がなければ模倣は模倣でしかないということ。
どんなにいいものでも必要以上に作り過ぎては人の心から離れてしまう。
長田製紙所で生まれた飛龍という紙は苦難の運命を背負っているようだ。
昭和の時代でも機械化による粗悪な模倣品の氾濫によって廃れていった。
襖紙と同じく必要とされる紙である限り、作り続けるだけ
午後からは波楮落水紙、これも一つの伝統になりつつある。
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